Letter of T.E.Lawrence.

1927年9月26日

ジョージ・ブラウ様

1922年の時から連続5台のブラウシューペリアに乗っていましたが、昨日はちょうど10万マイルを回ったことになりました。間もなく海外へ行くことになりますので二輪車乗りを止めなければなりません。お蔭様で長い間道路での喜びを大いに味わうことが出来まして厚くお礼を申し上げます。

1922年には、「ジョージ1号」(ブラウ用の旧「Mark 1」のこと)は私が乗ったことのある乗り物の中で極上だと感心して居りましたが、「ジョージ5号」(1926年型のSS100のこと)は比べられないほど尚更に優れています。1925、1926年(「ジョージ4号、5号」の時代)には、故障無しで過ごすことが出来ましたので、交換部品サービスを使ってみることが出来ませんでした。ブラウ様がご提供下さる現在の二輪車は急行列車ほど速く飛び、また急行列車ほどの信頼性があります。その上、20年間の二輪車・自動車との深い係わりのある者として、私はブラウシューペリアに乗ることが此の世に生きる至極の楽しみであると断言できます。

価格は大変高いですが、維持費の負担は軽いです。私の場合では、ガソリン1ガロン当たり50〜65マイル、オイル1ガロン当たり4千マイル、外面カバー(セルロイド製の風防)1枚当たり5千〜6千マイルを走ることができます。この4年間に保険金を1回(£5未満)しか請求しなかったことは証となりますが、製品の操縦性及び設計による安全性も優れています。SS100は路面との接触具合が実に素晴らしいです。穴だらけの凸凹の道路を時速70マイルでギャロップで走らせることはお祭り気分です。しかし、マシンはツーリング用とはいえ、フル・スロットルでは時速90マイルも出せます。

私はスピード狂ではありませんが、日中にかなりの距離を走ります。1日には、5百マイルを走ることも度々あり、7百マイルを走ることも偶にあります。平均距離もかなり長いです。市街などを通る時に徐行しますが、広々とした地域に出ると猛スピードで飛ぶことができますので、平均としては1時間当たり40〜42マイルで、走ることが出来ます。時速50マイルを超えたスピードでは、乗り心地も良いしエンジンの緩々とした強力なターンオーバを感じることで安らかな気分になります。

しかし、これらのことは、ブラウ様は私が経験する前からとっくにご存知なさったのでしょう。余計なことを長々とお書きしてしまいまして失礼致しました。ブラウシューペリアは車輪付きの乗り物の中で最も素晴らしいものです。

T・E・ローレンス

1932年5月3日
サザンプトン市ハイズ村

ジョージ・ブラウ様

最高ですよ、あのような素晴らしいマシンに乗ったことがありません。ハイギヤ等による完璧な調子は良いところの一つですが、最も素晴らしいところは活力あふれる適正な減速比だと思います。ギアは高過ぎるとは思っていません。時速を16マイルに下げることもできますし、時速30マイルでは快調ですし、時速50マイルでは夢のようなのです。エンジンの回転を数えることができるほどに穏やかにブンブン鳴っています。

大変寒かったですが、乗り心地は爽快でした。後ろのプラグはウェルウィンに着いた時に駄目になってしまいましたが、第2のプラグはまだ具合が良いです。ブラウ様の店舗から2個を頂きましたので小切手の金額を£10以上にしました。それで足りるでしょうか。

あのバイクは益々好きになると思います。今はどこへ行っても群集が口をぽかんと開けてバイクを見つめていますが、バイクが汚れたら、あのように見つめるのを止めて呉れると思います。英空軍が休み時間を呉れさえすれば、バイクが汚れるようにいっぱい乗れますが、休み時間を呉れるかどうかは分かりません。

ブラウ様並びに貴工場の皆様がバイクを完全無欠なものにするために細心の注意をお払い下さり誠に有難く存じて居ります。

T・E・ショー
(1927年にローレンスが改名した名前、改名した後もサイン等にロレンスの名を使っていた。)
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