Witness of Lawrence accident.

ロレンスの死亡事故の査問のため運ばれるブラフと
肉屋の少年バート・ハーグレーブスの自転車


衝突目撃者 フランク・フレッチャー氏

 過去のオートバイ関連誌の紙面からロレンスの事故についての記述を見ると、ロレンスは、肉屋の配達をしていた少年2人を避けるため、自ら道路を外れ、転倒して死に至った、との説明がされることが多い、しかし実際の事故は、二台の自転車を巻き込んだものであった。


当時の供述書と当事者のインタビューから事故をまとめてみると

1935年5月13日、肉屋の店員バート・ハーグレーブスと友人のフランク・フレッチャーは、商品の配達のため、自転車で走っていた。軍の野営地の夏用テントの近くまで来たときに後方からバイクの音が聞こえた。バートは、道路の端に移ろう、とフランクに声をかけ、二人は横に並んで左端を走っていた。ロレンスのブラフは、対向車を意識してか、道路の左寄りを走っていた、現場手前の道路は、緩やかに左に曲がった上り坂で見通しが悪い、坂を上りきり、二人の自転車が見えた途端、避ける間もなくバートの自転車と衝突してしまう、はねられたバートの自転車は、フランクの自転車に当たり、彼も転倒してしまった。ロレンスはコントロールを失いブラフから振り落とされるようにハンドルバーを飛び越し、路面にたたきつけられ、道路右端のもみの木の所まで飛ばされた。ブラフは、右側を下にして倒れ火花を散らしながら滑って行った。ロレンスはもみの木にもたれて、座るような姿勢で倒れていた、頭部と顔面は、血まみれだった。ロレンスは、6日後の19日の朝死亡、バート・ハーグレーブスは、事故直後、意識を失うものの命に別状はなく、フランク・フレッチャーは軽傷で、自分の自転車で家に帰った。

1991年8月13日(火)にP・J・マリオット著者とY・アージェント著者によって行われたフランク・フレッチャー氏とのインタービューからの抜粋

 《事故現場まで》もう少し進んで行くと、2つの丘があります。一つの坂を下りてもう一つの坂を上ると《丘の上で》道はまた平らになります。その時に、僕達〔バート・ハーグレーブスとフランク・フレッチャー〕はその二つ目の丘の上を、確か、150ヤード《137メートル》くらい走ったところだったんじゃないかと思います。そうしたらバイクの近付いてくる音が聞こえてきたので、バート君が道路の左側に寄った方がいいと言いました。だから、彼〔ブラフに乗っているローレンス〕が近付いてくるときには、僕達は道路の左側を走っていたんじゃないかと思います。しかし、僕の意見なんですけど、彼は僕達がそこにいることに気付いたときは遅過ぎました。進行方向を変える余裕がなかったんじゃないかと思います。
 すると、バート君の自転車がズドンと路面に、たたきつけられるすさまじい音が聞こえて、後ろを振り返ってみると、バート君が路面に仰向けに倒されていました。バイクはぴかぴかと火花を散らしながら横倒しで路面をすれすれに飛んでいるところでした。バート君が乗った自転車の後車輪はあれ〔ブラフ〕にぶつけられたんです。僕は先ずバート君の方へ行き「怪我はないか」と聞き、彼の肉屋手帳を拾ってあげました。次に、アラビアのローレンスの方へ行きました。彼はボヴィングトン野営地の方へ向いていました。2分も立たない内に、ちょうどその丘の上でテントを張って野営をしていた兵隊達が寄って来ました。それから、約2分後に救急車が到着しました。救急車は野営地から来たのか、ローレンスと相棒のバート君を乗せたのは兵隊達だったんです。それから、救急車はボヴィングトン病院へ向かいました。 その後、皆去って行き、僕は一人で残っていました。
僕は周囲を見回すと、地面に幾つかの注文品〔バートが配達する包み〕を見掛けたので、それらを拾って〔バートが乗った自転車の〕籠に入れておきました。バート君が乗った自転車はつぶされたので乗ったりすることはできませんでした。《その後》自分の自転車に乗って家に帰りました。


F ・フレッチャー氏 インタビー本文

  PJM(P・J・マリオット著者):査問でのフレッチャーさんの供述書のオリジナルを持っています。興味深いことに、その供述書によると、フレッチャーさんはバート君と2人でWaddock's Crossで鳥の巣を捜しに行く途中だと書いてあります。

   FF(フランク・フレッチャー):違います。

  PJM:ここに書いてありますよ。そして、フレッチャーさんとバート君は縦に並んで走っていたとあります。

   FF:その通りです。

  PJM:夏用円錐形テントの辺りでバイクの音が聞こえましたね。

   FF:はい。

  PJM:で、そのバイクがバート君の後車輪にぶつかった時のガチャンという音が聞こえたと。

   FF:その通りです。

  PJM:バート君の自転車がフレッチャーさんの自転車にぶつかり、フレッチャーさんは自転車から落ちたと。

   FF:はい、自転車の片側から落ちました。

  PJM:バイクが路面を横滑りしているところを見た時には、ローレンスは既にバイクから落ちていましたか。それともバイクにしがみついていましたか。

   FF:しがみついていません。この地点で《図を指差していると思います。》バイクが横滑りする前に既に…ほら、このように…ハンドルを飛び越えるように飛ばされたんです。それからバイクが路面を横滑りしました。ローレンスは飛ばされると、血が顔を流れ、あの木に寄りかかって座っていました。

  PJM:バイクはどの方向へ横滑りしましたか。両車輪はどのように前進したか覚えていますか。

   FF:はい、両車輪は道路の右の方に面していましたが、サドルは歩道の縁の方に面していました。

  PJM:サドルは《道路の》左に面していたわけなんですね。

   FF:はい。

 〔P・J・マリオット著者は録音テープが終わったことに気が付き、新しいカセットを入れる。対話の最後の部分が録音されなかったと思ったらしくて、最後の部分のやり直しを要求する。〕

  PJM:査問でのフレッチャーさんの供述書の署名されたオリジナルによれば、フレッチャーさんは、バート君と2人でWaddock's Crossで鳥の巣を捜しに行く途中だと述べました。ところが、後で、肉屋のための用足しが唯一の目的だと述べました。

   FF:この鳥の巣捜しというのは何の話なのか僕は知りません。僕達の唯一の目的は肉の配達だけだったんです。Clouds Hillという丘で左に曲がることになっていたことは知っていましたが、配達先の住所までは知りませんでした。配達先の住所はそれぞれの包みに…ほら、あの肉の入ったやつに…書いてあったんです。

  PJM:フレッチャーさんにもあのバイクの音が聞こえましたか。それともバート君に教えられなければ気が付きませんでしたか。

   FF:バート君はバイクが近付いてくることを教えてくれました。

  PJM:というと、フレッチャーさんには聞こえなかったわけなんですか。

    FF:僕にも聞こえましたよ。バート君は先の方の左側に移るように言いました。僕達は(横に並んでいたことを手振りで示す)このように乗っていたんです。それから、道路脇の近くへ移れと言ったのでそのようにしました。すると、バート君の自転車が僕の自転車にぶつかり、僕は自転車から落ちました。

  PJM:フレッチャーさんが落ちているところで、ローレンスは飛ばされ…

    FF:ローレンスはやや僕の先方にいましたので飛ばされるところを、僕は見たんです。彼が飛ばされると、バイクは彼を追うように前進し続け、このように(手振りで)横滑りしました。

  PJM:バイクは倒れなかったのですか。

    FF:はい、直ぐには倒れませんでしたが、後で倒れました。

  PJM:曲がりましたか。

    FF:いいえ、一直線に進みました。

  PJM:両車輪は野営地の方に面していましたか。

    FF:その通りです。そして、ハンドルは僕の方に面していました。

  PJM:それで、フレッチャーさんはバート君が路面に横になっている場所へ行きました。バート君は自分の肉屋手帳をフレッチャーさんに渡したと言っています。

    FF:そんなことはないです。僕の方が肉屋手帳を自分で拾いました。…はい、ペニー《1/100ポンドの英国貨幣》はありませんでした(笑)。

  PJM:ペニーが3枚あったと言及したようだったが、それを否定しましたね。

    FF:はい。

  PJM:それから、バート君の方へ話しに行きましたが、彼は眠りに入ったようだそうです。フレッチャーさんはその「眠りに入る」という表現をいつも使っているようですね。

    FF:その通りです。

   PJM:そうならば、彼は明らかに半ば意識状態から無意識状態に移りました。それからフレッチャーさんはローレンスの方に目を向け、彼の出血を見て怖くなって近付かなかったとありますが、それを否定しましたね。

     FF:はい、否定しました。

   PJM:彼のそばへ実際に行ったと言うわけなんですね。

     FF:はい、行きました。

   PJM:それから、約2分後に兵隊達が寄ってきたそうです。

     FF:その通りです、野営地からです。

   PJM:そして、二輪車に乗ってきた男も寄ってきたと述べられています。

     FF:違います、それは間違いです。

   PJM:キャッチポールさんも兵隊達の中の一人でしたか。

     FF:違います、キャッチポールさんは道路に寄ってきませんでした。聞いたところでは、その時に彼は藪の後ろの方で犬を散歩に連れて行っていたそうです。だから、ガチャンという音がした時には、彼は藪越しに見ていたはずです。

   PJM:彼は寄ってきて兵隊達の中に入らなかったと言っていますか、たった2分くらいで現場に来られたのにね。

     FF:彼は寄ってきませんでした。

   PJM:しかし、フレッチャーさんは彼を見ても彼だと分らないのではありませんか。

     FF:はい、彼を見ても彼だと分りません。

   PJM:ということは、彼も現場に寄ってきたこともあり得ますね。

     FF:はい、あり得ます。

   PJM:しかし、犬はいなかったそうです。

     FF:犬はいませんでした。

   PJM:では、男達がやって来て、救急車を呼びます。推定によれば、救急車は当時の野営地に配置された野外救急車ですね。

     FF:はい、野営地からです。

   PJM:野営地というと、あの夏の野営地のことですね。

     FF:そうです。

   PJM:それからトラックが道路を走って来ましたね。

     FF:トラックはありませんでした。

   PJM:トラックはありませんでしたね。兵隊達は担架を取りに戻って行きましたね。

     FF:違います、救急車の中から取り出したんです。

   PJM:救急車が来て、兵隊達がその中から担架を取り出しました。2人の被害者は救急車に乗せられ、ボヴィングトン野営地へ運ばれましたね。

     FF:その通りです。ほら、赤いやつが上に付いた当時の古い箱型救急車を覚えているでしょう。現場に来たのもあのような救急車でした。そして、担架は現在使われているタイプと違って、キャンバスでできた普通のタイプでした。

   PJM:うんうん

     FF:キャンバスは大きな棒に掛けられました。

   PJM:しゃ、棒はキャンバスから取り出せられるわけですか。

     FF:はい、そうです。

   PJM:現場から左の方などには幾つかの給水塔があったことを覚えていますか。

     FF:僕は小さい時にあの荒地を知り尽くしていましたが、給水塔を見た覚えはありません。

   PJM:給水塔がなかったんですか。

    FF:はい。―――重要なことですが、当時には、あの道路は現在のように幅が広くなかったんです。

   PJM:どういう感じの道路でしたか。

     FF:戦車がよく走っていた荒れた道路でした。戦車が荒れ野に入ったり出たりし、反対側の荒れ野に入るためによく道路を渡るものでした。そして、道路の両脇に樹木が多かったため、幅はけっこう狭かったです。

   PJM:道路の表面はどんな感じでしたか。フレッチャーさんはその上に落ちたじゃありませんか。

     FF:覚えています。(2人笑)道路は荒れていたんです。つまり、タールが敷かれていたが、戦車の通る跡だらけでした。

   PJM:砂利やかけらはありましたか。

     FF:かけらはありました。なぜなら、戦車がよく道路を走ったり、荒れ野から道路を渡ったりしていたからです。現在も同じように走っています。

   PJM:フレッチャーさん、又はお父さんは事故現場へ戻って見たことはありますか。

     FF:いいえ、一度も行きません。

   PJM:フレッチャーさんの自転車、そしてバート君の自転車はどうなりましたか。覚えていますか。

     FF:僕の自転車にはかすり傷一つもなかったんですが、バート君のはご覧の通り…

   PJM:つぶされた後車輪を見ましたが、自転車はどうなったんですか。

     FF:知りません。僕は、バート君の自転車を現場において自分の自転車で帰ったんです。―――あれ〔ローレンスの血〕は頭の天辺からここを通して(自分の顔に指差しながら)流れていました。

   PJM:本人の右側ですか。

     FF:彼はあのように木に寄りかかって座って両足を投げ出していた。ボヴィングトン野営地の方へ向けられていました。

   PJM:血は本人の右側を流れていましたね。どのように?

     FF:ここの上の方からです。

   PJM:頭の天辺ですね。

     FF:えぇ。顔全体は血まみれでした。

   PJM:他に気付いたことはありましたか。

     FF:いいえ、それだけでした。

   PJM:ローレンスが地面をすれすれ飛んでいた間に服が破られた筈なんですけど。

     FF:気が付きませんでした。あれ〔血〕がここを流れていたことしか覚えていません。服の方を全然見ていなかったんです。

   PJM:他に何も気づきませんでしたか。

     FF:はい。

   PJM:バイクからの破片があちらこちらに散っていたようなことはありませんでしたか。

     FF:バイクが路面をすれすれ飛んでいた間に起こったペダルの跡は残りましたが、それしかなかったんです。

   PJM:それは興味深い点ですよ。そうすると、すりきずがあったわけなんです。

     FF:はい。

   PJM:すりきずは一、二本くらいでしたか。

     FF:そう。

   PJM:道路の図が数枚ここにあります。これ〔写真〕は事故が起こった数日後に撮られました。これを見て頂ければ、他のことを思い出してくれるでしょう。事故が起こったのはここですね。坂はこの後ろにあるがあいにく写っていません。

     FF:えぇ。

《ここから別の写真を見ているようです。》

   PJM:これらの電信柱は興味深いですが、覚えていますか。あッ、見えませんか。

     FF:見えてきました。電信柱は確かにそこにありました。しかし、この辺は後で切り開かれたようです。当時には藪や樹木などがいっぱいあったんです。ここも変わりましたよ。当時には道路はこれほど幅が広くなかったんです。僕はそのように思っています。

(PJMはFFに事故現場の絵を描くように頼んでもらう。)

    FF:傾斜が急なんで、彼〔ローレンス〕は坂を上って平なところに着くまでには、僕達がそこにいたことを知るわけなかったんです。上に着いてから、僕達がやっと見えてきたわけなんですが、それは遅過ぎたようでした。―――そして、ここでバート君の自転車が僕のにぶつかりました。―――僕達は道路の縁に近い地点にいました。

  PJM:つぶされましたね。フレッチャーさんのと絡みましたか。バート君の自転車は結局どこに終わりましたか。

    FF:彼の前車輪は僕の後車輪に軽く突いただけです。

  PJM:ならば、あの2人はフレッチャーさんに大変近かったわけですね。

    FF:その通りです。――彼はここでハンドルの上を飛びました。――ここで真っ直ぐに道路の反対側へ飛び、この木に寄りかかった姿勢で止まりました。

  PJM:道路を出たところまで?

    FF:そうです。―――そしてここでバイクは路面をすれすれ飛んでいました。両車輪は道路の右に、サドルとハンドルは左に面していました。

  PJM:バイクは道路の中央にありましたか。それとも片側にありましたか。

    FF:道路の左側にありました。その時には、テントの人達を除いて誰もいませんでした。

  PJM:テントの人達ってのは野営地からの兵隊達のことですか。

    FF:その通りです。彼等はここにいたローレンスのそばに行きました。「L」の印をここに付けておきます。―――救急車は野営地から来たんじゃないかと思います。大変早く到着したんです。

 PJM:救急車は道路の片側に止まりましたか。

    FF:はい、ここに止まりました。ローレンスさんはここから、自転車の近くにいたバート君は、えーっと、ここから運ばれました。

  PJM:フレッチャーさん、そこに救急車《ambulance》の頭文字「A」の印を付けて頂けませんか。そうしてくれれば、救急車がそこにあったことが分ります。――そしてここ「FF push-bike」と印されたところはフレッチャーさんの自転車があった地点ですね。よし。

    FF:うん、バート君の〔自転車〕はそこのちょっと後ろの方にありました。

  PJM:そしてバート君はこの後ろの辺にいましたね。道路の片側にいましたか。

    FF:こっちの側にいました、中ほどのところに。

  PJM:道路の中央と縁の間の中ほどですか。

    FF:うん。

  PJM:自転車の向かいにね。では、「Bert Hargraves」という印はここにあります。ということは、バート君はここにいますね。フレッチャーさんが言うに、ローレンスはここにいますが、最終的にいた地点が肝心なことです。木はこの辺にありましたか。

    FF:うん。

  PJM:彼はもう少し向こうにいますか。

    FF:はい、ここまでです。

  PJM:彼のバイクはもっと向こうですね。道路の中央にありますか、それとも片側にありますか。                                                                                                         FF:片側です。

  PJM:道路から食み出していませんでしたか。

    FF:食み出していません。

  PJM:彼はここいます、ハンドルはここにあります。ローレンスのバイクはこれですね。救急車が到着して最終的にローレンスとバート君の間に止まりますね。

    FF:うん、その通りです。

  PJM:ローレンスが電信柱に当たった可能性はありますか。

    FF:電信柱は全くなかったんです。一本の普通の木しかなかったんです。もみの木でした。

  PJM:電信柱はありましたよ。

    FF:この辺なら、2本はありましたけど。

  PJM:確かにそこに見ましたか。

    FF:うん、電信柱は右じゃなくって左の方にありました。

  PJM:違います、右の方にありましたよ。資料をお見せします。

    FF:右の方には、1本の木と藪しかありませんでした。

  PJM:この写真を見てください。ローレンスは明らかに最終的にどこかの木に当たっていましたが、複数の電信柱はここにあります。道路脇に近いことが分りますね。ここは野営地が位置する右の方じゃありませんか。

    FF:それらは、事故が起こった後で取り付けられたと思います。なぜなら…

  PJM:この写真は事故が起こった2日後に撮られましたよ。

    FF:あり得ないです。

  PJM:これは新聞に載った写真ですよ。新聞の日付を見てください、1935年5月23日となっているじゃありませんか。だから、写真は遅くともその日に撮られた筈です。

    FF:僕達はそれらがあったことに全く気が付きませんでした。

  PJM:黒い車の話しに戻りますが、何も見掛けませんでしたか。《ロレンスのブラフが他の黒っぽい車と接触して事故となった、という説がある》

    FF:何も見掛けませんでした。

  PJM:救急車が来るまでは?

    FF:見掛けた車はそれだけだったんです。

  PJM:ボヴィングトン野営地から来る途中では何も見掛けませんでしたか。

    FF:何一つ見掛けませんでした。

    YA(Y・アージェント著者):バイクと自転車を取りにトラックが現れませんでしたか。

  PJM:陸軍用トラックはありませんでしたか。

    FF:《ありませんでした。》皆は何も片付けないで去って行ったんです。

    YA:自転車とバイクを片付けなかったのですか。

    FF:その通りです。皆が去って行った後では僕一人しか残っていなかったので、自分の自転車に乗って家に帰りました。バイクはどうなったのか知りません。

  PJM:フレッチャーさん、有難うございました。感謝します。


 ※1999年、10月17日の朝日新聞の[100人の20世紀 T・E・ロレンス]の中にフランク・フレッチャー氏の最新のインタビューが、掲載されている。

少年の一人フランク・フレッチャーさん(78才)は、当時14才だった。                                                                                                                                                                                  「「転倒したのは基地の兵隊だと思っていた。それがあのロレンスだったというのは、後で知った。」                                                                                                                                                               五年前、友人たちに現場の案内を頼まれ、行ってみた。現場はすっかり変わってしまっていた。                                                  
 
「アラビアのロレンスの映画 ? ああ、見たよ。オートバイが転倒する冒頭のシーンを見たときは思わず手がふるえたね。

※日本からの核心を突かない?インタビューには、いたってリラックスしていた。


※フランク・フレッチャー氏のインタビューは、当時の供述書と異なる点も多い。ロレンスの事故についても少年を避けるための単独事故と説明されたものが多い。           偉大な功績のある軍人であったロレンスの事故に対して情報が操作されていたのだろうか。